「コト売り」マーケティングでお客様を魅了する方法
【更新日】 2024年9月9日(月) コト売り思考 戦略とマーケティング
「コト売り」マーケティングで顧客を魅了する方法
競争が激化する市場では、単なる「モノ売り」(物販だけではなく、サービスも含む)という発想からだけの情報発信ではお客様の心をつかむことが難しくなります。

このような市場にはまって事業を行うとなった場合、お客様が求めるのは商品やサービスそのものではなく、それがもたらす体験や価値であることを伝える必要が出てきます。


今回の記事では、「コト売り」マーケティングの基本的な考え方と、それを活用することでどのようにお客様を魅了し、売上を向上させるかを具体的に説明していきます。

 

「コト売り」とは何か?

「コト売り」とは、商品やサービスの持つ物質的価値ではなく、お客様に提供される体験や感情的価値に焦点を当てたマーケティング手法となります。


たとえば、
宿泊施設では「ただの部屋を提供する」だけでなく、「その場所での特別な時間を過ごす」体験を売ることが重要です。

このアプローチは、お客様との感情的な結びつきを強化し、リピーターを生むためのポイントになります。

お客様が期待する体験をいかに提供するかが、「コト売り」成功のポイントです。


 

なぜ「コト売り」が必要なのか?

多くの市場で商品やサービスの差別化が難しくなる中、単に製品を売るだけではなく、お客様が他にない体験を得られることを提供できるようになると競合他社よりも自社を選択してもらえる機会を生み出します。

特に、小規模事業では大企業と同じような広告予算をかけられないため、お客様との深い関係を築くことでリピーターを増やし、口コミを広げていく必要があります。

「コト売り」を導入することで、限られた『人・お金・情報』でも効率的にお客様を惹きつけることが可能となるわけです。


 

「コト売り」で差をつけた実際の事例

ここで、かいつまんだ内容になりますが、実際の事例を紹介します。
 

1. 地元密着型のカフェ:地域文化との共生でリピーターを増加

ある小規模のカフェでは、単なるコーヒー提供にこだわらず、「地元の方々とのつながり」をテーマに掲げました。

具体的には、
地域アーティストの作品展示や地元イベントの開催を定期的に行い、来店者にコミュニティの一員としての特別な体験を提供しました。

これにより、顧客は単に飲み物を楽しむだけでなく、地元文化との触れ合いを目的に来店するようになり、結果的にリピーターが増加し、売上も大幅に向上しました。

このように、地元密着型の体験を売りにすることが、競合他社の差別化に寄与しています。

実際に、ライブイベントを行ってみたり、作品展示している京都の古民家を活用した事例になります。

 

2. 小規模旅館:地域探索ツアーを通じた特別な体験の提供

ある小規模な旅館では、宿泊施設としての機能に加えて、地元の観光ガイドと提携した「地域探索ツアー」を提供することによって、他の旅館との差別化を図りました。

ツアーでは、地元の隠れた名所や伝統文化に触れられる特別な体験を提供し、宿泊客はただ寝るために旅館を利用するのではなく、地元文化を深く味わうことができました。

このような地元ならでの体験を売りにすることで、宿泊客の満足度が向上し、口コミによる新規顧客の集客に成功しました。

また、リピーターも増え、オフシーズンでも安定した予約を確保できるようになりました。

長野県で、旅館の女将さんが地元のすばらしさを発信して、それに反応で集客できているというお話をお聞きしたことがあります。

 

3. ワインショップ:テイスティングイベントで商品の魅力を体感させる

ワインショップでは、単にワインを売るだけでなく、テイスティングイベントを開催し、お客様にワインの魅力を直接体験の場を持つことを実践されました。

このイベントでは、専門家(このショップでは店長)がワインの背景や製造過程、味わい方を詳しく説明し、参加者は複数のワインを試飲しながら自分の好みに合ったワインを見つけることができるようにという主旨が伝わる内容でした。

参加者同士の交流も促進され、イベント終了後も定期的に購入するリピーターが増加しました。

これにより、ただ商品を販売するだけでなく、顧客がワインをより深く理解し、楽しむ機会を提供すること
で、他店との差別化を実現できるようになりました。

神戸で実際に聞いた話です。


 

お客様が求める体験とは?

「コト売り」成功のためには、お客様が何を求めているのかを深く理解することが不可欠です。

ここに「頭を使う!」が大切になります。


お客様からのフィードバックやインタビューを通じて、お客様のニーズや欲求を把握できるようになることができれば、本当に事業のありかたが変ってきます。

特に、小規模事業では限られた経営資源(人・お金・時間・情報)をどこに集中するかが重要だと実感しています。

お客様の期待に応えられる独自の体験を提供するためには、事前の調査と準備が必要です。

経営資源が限られている中であるからこそ、何が最も効果的かを見極めることがポイントとなります。


 

体験を売るためのマーケティング戦略

「コト売り」を実践するためには、最適なマーケティング戦略を立てることが不可欠です。

まず、チラシ・リーフレットという紙媒体がベストだと思っています。

※本音は、何もなくても対面で伝えて回ることができていることが重要なのですが、これはあらためてお伝えできればと思っています。

さらに、SNSやウェブサイトを活用し、お客様にどのような体験が提供されるのかを視覚的に伝える取り組みをお奨めします。

InstagramやTikTokなどのプラットフォームを使って、リアルな体験をシェアすることで、お客様になってくれそうな方々に「行ってみたい」「試してみたい」という気持ちを抱かせることができます。

また、メールマガジン(LINE含む)やリピーター向けの特典を活用して、お客様との継続的な関係を築けるようにしていきたいところです。


 

「コト売り」のための優先順位を決めた資源の使い方

限られた経営資源の中で、どの部分に力を入れるべきかは、経営者にとっての大きな課題かと思います。

「コト売り」に成功している事業者は、商品そのものの質にこだわるだけでなく、お客様が体験を通して、どんなことを感じ取ってもらうかに集中されています。

特に、小規模事業であるほど、大きな投資が難しいため、少ない予算で大きなインパクトを与える施策を選ぶ必要があることを、これまでもいろいろな場面で見てきました。


お客様対応やイベント企画など、お店からどんな印象が伝わるようにするのか?
体験を通じて、何を感じ取ってもらうのか?

お客様が望んでいる結果にフォーカスして、組み立てることに力を入れていきたいところです。



 

成功するための継続的な改善

「コト売り」マーケティングの成功には、継続的な改善が求められます。

お客様のフィードバックを受け取り、それに基づいてサービスや提供体験を進化させることが、成功を続けるための要因です。

定期的なお客様とのやり取りや、リピーターからの意見を反映させることで、お客様との絆がより強固になります。

また、成功した感じたお客様とのやり取りや他社の取り組みを参考にすることで、自分自身の事業をより明確に落とし込むことができるようになり、さらに、新しいアイデアを取り入れることができるようになります。

そうして、継続的にお客様とのつながりが続き、関係性を深めることができるようになります。

 

まとめ

「コト売り」マーケティングは、商品だけでなく体験そのものを売ることで、お客様との深いつながりを生むことができることをお伝えしてきました。

いかがでしたでしょうか?

この記事で紹介したポイントや事例を参考に、あなたの事業でもお客様に感動してもらえるようにして、売上を向上させるための施策をご検討ください。

継続的な改善とお客様とのコミュニケーションが、長期的な成功に繋がることは間違いありません。



 

最後に

これらの理解をさらに深堀するためにメールマガジン『コト売りで差をつける!最新マーケティング情報』の配信をスタートします。

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