
コト売りは、商品やサービスの物理的な特性(機能やデザイン)よりも、それを使うことによって得られる体験や感情を重視するビジネス手法ともお伝えしています。
たとえば、
家具店が家具そのものを熱心に説明するのではなく、「お客様が不安視するその家具の安心・安全・頑丈」を根拠をもって、わかりやすく説明することで大きく売り上げを伸ばした実例があります。
モノの説明を重視するあまり、売り手の事情を押し付けることになります。
それに対して、コト売りは、お客様の悩み事、お客様が理想とする姿を中心にするために、お客様に高評価を得るということになりました。
ここが商品説明以上に重要なポイントにすることが「コト売り」のポイントです。
コト売りを導入することで、お客様の感情に訴えかけ、リピーターを増やすことが可能です。
コト売りの最大の効果は、お客様との長期的な関係構築にあります。
単なる商品提供にとどまらず、お客様がその体験を通してブランドに愛着を持ち、他の製品やサービスにも興味を持つようになります。
また、口コミ効果も期待でき、他のお客様を呼び込む循環が生まれるのです。
特にリピーターが多いビジネスにとっては、売上の安定化につながります。
コト売りを導入するために、大規模な改装や研修はまだ必要ありません。まずは経営者や担当者の「視点」を変える、以下の3つのワークから始めてみてください。
STEP 1 商品の「主語」を変換する
まず、自社商品を「モノ」ではなく「体験」として再定義します。以下のテンプレートに当てはめてみてください。
モノ売り思考
私たちは「ドリル」を売っている。
コト売り思考
私たちは「日曜大工で家族に尊敬される体験」を提供している。
あなたの商品
私たちは「 (商品名) 」を通じて、「 (お客様が得られる感情・未来) 」を提供している。
STEP2 既存客に「なぜ?」を聞く
お客様が何を求めているか、デスクで悩んでいても答えは出ません。
常連客にこう聞いてみてください。
「他にも似たお店(商品)がある中で、なぜウチを選んでくれたのですか?」
この回答の中にこそ、あなたが気づいていない「コト(独自の体験価値)」が隠れています。
STEP 3 接客の第一声を変える
スタッフ教育といっても、まずは一言変えるだけで十分です。
×「何かお探しですか?」(モノを探す問いかけ)
◎「ご自宅用ですか?それともプレゼントですか?」(背景にあるコトを探る問いかけ)
このように、お客様の「利用シーン」を聞き出すことからコト売りは始まります。

ある寝具店では、羽毛布団のリフォーム(打ち直し)を強化したいと考えていましたが、HPにはカタログ的な商品スペックしか載っていませんでした。
そこで、「モノ(布団)」ではなく「コト(復活の物語)」を伝えるため、「お客様ごとの納品事例」を徹底的に作成しました。
【実施した具体的な施策】
目標数
まずは「200事例」の掲載を目指して更新を継続。(現在、1800事例以上)
記載内容
「メーカー名」「使用年数」「劣化状態」などの詳細データに加え、「お客様がどんな想いで依頼されたか」というエピソードを掲載。
可視化
ビフォーアフター画像とリフォーム価格を明記。
【結果】
「メーカー名 リフォーム」などの具体的キーワードで検索上位を独占。
事例から伝わる「丁寧な接客姿勢」が信頼を生み、全国から問い合わせが殺到しました。
その結果、チラシやWeb広告を一切使わずに、前年比4倍の売上を達成しました。

ある家具店では、クレームを避けるために「高額だが頑丈な二段ベッド」のみを展示していました。
これをオンラインショップに掲載したところ、予想外に売れ始めたのです。
不思議に思い、購入客に「ヒアリングを重ねると、ある意外な共通キーワードが見つかりました。それは『大人も使える頑丈さ』です。(他にも『コンパクト』『頑丈』などの声が多数ありました)」
お客様が求めていたコト
「安さ」ではなく、「地震が起きても子供を守れる『圧倒的な頑丈さ』」でした。
そこで、HPのキャッチコピーを「おしゃれなベッド」から「大人が乗ってもきしまない、大人になっても使える頑丈ベッド」へと変更しました。
さらにそのニーズを追求し、設計からこだわったオリジナルベッドを開発しました。
その結果、北海道から沖縄まで全国から注文が入る大ヒット商品へと成長しました。
どんなところに、納品できたのかと言えば、全国のゲストハウス、シェアハウスなどの宿泊施設。
さらに、体育会系の学生が宿泊している寮(柔道部、相撲部、ラグビー部、サッカー部など)です。
形のないサービスを扱う行政書士事務所の事例です。
開業当初は、実績もなく集客に苦戦していましたが、「自分の専門知識」をアピールするのをやめ、「お客様の夜も眠れない不安」に寄り添う情報をとことん一緒に用意することにしました。
Before(モノ売り)
「遺言書の作成手続き代行します(機能)」
After(コト売り)
「『兄弟仲が悪くならないか心配』…その不安、法的な予防策で解消できます(安心)」
相談者が抱えるドロドロとした悩みや、解決後の安堵感をリアルに描写し、Q&A形式で網羅しました。
その結果、「私の悩みをわかってくれるのはこの先生しかいない」という深い信頼を獲得。
開業わずか10ヶ月で売上1,000万円を突破しました。
このように、コト売りを導入することで、競争が激しい市場でも大きな成果を上げることができます。

成功事例を見ただけでは、「ウチの場合はどうすれば?」と迷うかもしれません。
ここでは、明日から実践できる「コト売り変換」の具体的ステップを解説します。
自社の強みを「機能(スペック)」だけで考えていませんか?
以下の「掛け算」で、独自の価値を見つけ出してください。
方程式
[商品の機能] × [お客様の感情・未来] = コト(体験価値)
例(飲食店)
[美味しい料理] × [久しぶりの夫婦デート] = 「会話が弾み、仲直りができるディナー」
例(リフォーム)
[壁紙の張り替え] × [子供の自立] = 「第二の人生をスタートさせる儀式」
このように、機能の先に「どんな感情」があるかを言語化することが設計の第一歩です。
お客様目線になるために、会議室で議論する必要はありません。
既存のお客様に、たった一つ質問をするだけで答えは見つかります。
「他にも似た商品はたくさんあるのに、なぜ当店を選んでくださったのですか?」
この答えの中にこそ、あなたが気づいていない「本当の価値(コト)」が隠されています。
「安いから」ではなく、
「親身になってくれたから」
「安心できたから」
という言葉が出てくれば、それがあなたの最強の武器です。
最後に、導入時の注意点をお伝えします。
それは「お客様不在のポエム」になってしまうことです。
「感動を売る」「笑顔を届ける」といった、耳障りの良い言葉を並べるだけでは売れません。
あくまで「お客様の具体的な悩み(不満・不安)」を解決する手段として、体験を提案してください。
独りよがりなストーリーは、逆効果になります。
長引くデフレ、人口減少、競合の増加…。
「良いモノを作れば売れる」時代は終わりました。
しかし、それは「お客様の心を満たす体験(コト)」を提供できれば、価格競争に巻き込まれず、高くても選ばれるというチャンスの時代でもあります。
本記事で紹介した「コト売り」への転換は、一朝一夕では難しいかもしれません。
しかし、踏み出した企業だけが、次の10年を生き残ることができます。
「自社のコト売りポイントがわからない」
「事例のようにHPを改善したいが、何から手をつければいいかわからない」
そうお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。
貴社の商品に隠れた「宝石(体験価値)」を一緒に発掘し、売上に直結させるロードマップをご提案します。
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